代表メッセージ

代表メッセージ

「人を観る目」は自分を守り会社を守る


「僕は人を観る目が無いから…」と、社長さんが深刻なあるいは自虐的な口調で呟く姿を、私はこれまで数えきれないほど見てきました。過去に、人を見誤って、損をしたり傷ついたりした痛い経験がそう言わせるのでしょう。人一倍多くの、そして多様な経験を持ち、かつ、日々勉強を重ねているはずの経営者の皆さんにして、「人を観る」という世界に入ると、まるで子供のように無策になってしまいます。「人を観る」という分野には、今だに確立された理論や方法論がありません。そこだけが、まるで聖域のように扱われ、エアポケットのようになっているような気がします。世の中がものすごいスピードで変化しているのに、「人」に関する分野だけが十年一日のごとく陳腐な常識観の中に留まっていると感じるのは私だけでしょうか。

 

自らの「眼力」の無さを嘆くのは、もちろん社長ばかりではありません。組織で働く人なら誰でも、人を見誤った結果、仕事を停滞させたり後退させたりした経験を持っているのではないでしょうか。どんな立場で働く人であろうと、その人の「人を観る目」の精度は、本人の認識の有無に関わらず、仕事の生産性の質を左右しています。そして誰もが、そのことを心のどこかで認めています。だからこそ、多くの仕事人の心の中に、「自らの人を観る目を強化したい」という潜在的な願望が存在するのでしょう。

 

「人を観る」ということにこだわり、「人を観る目を養う」ということは、誰もが薄々感じているように、どんな人にとっても、極めて重要なテーマであるはずです。突き詰めれば、「人を観る」という機能は、「自分に必要な人間とそうでない人間を見極めるために」備わっているものです。その考え方を「嫌らしい」と情緒的に捉えるか「合理的」と理論的に考えるかは、その人の自分の人生への責任感次第でしょう。「その人は自分に必要か否か」という概念を欠くと、自分の人生の生産性が上がりません。無駄な時間や労力を浪費しやすくなり、自分のためにならない人間に付け込まれたり翻弄されたりするリスクも高まるでしょう。極めて合理的な方法論として、人は自分を守り自分を高めるために「人を観る目」を鍛えなくてはいけないのだと思います。

 

そして舞台が仕事の世界となる時、「人を観る目」の重要性は、さらに絶対的なものになります。採用で応募者を見極める時、社員の給料を決めるために社員の生産性を見極める時、仕事の任せ方を決めるために部下の力量を見極める時、新規取引に際して担当者やその上司の信頼性を見極める時…。自分の「人を観る目」が、自分以外の多くの人の利害に、場合によっては大げさでなく人生にまで影響する可能性があることを痛感する時、真っ当な仕事人ほど自らの「人を観る目」を深く省みることになるのだと思います。

「人を観る技術」の確立


私たちは、「人を観る」仕事をしています。採用を支援したり組織の再編を支援したりする仕事の中で、大学生から管理職や経営職の人たちまでの行動を分析し、「仕事でどのくらいの生産性を上げられる人か」を診断しています。連日にわたって人の行動を追いかけていると、否が応でもいろいろな「法則」がわかってきます。「こういう行動をとる人は仕事場ではこのような傾向があるのだ」という「法則」です。私たちは、被験者の人たちの「その後」の仕事ぶりや生産性を追跡し、「法則」の精度を高めてきました。そして、「ここを観れば、本当に仕事ができる人(生産性が高い人)かどうかを高い精度で推察できる」という究極の(?)法則を導くに至りました。

 

今、私たちは、第2創業期を迎えようとしています。これまで長きに渡り、私たちは私たち独自のスキルを駆使しながら人を観察し行動を分析して、お客様に社員や応募者の能力情報を提供してきました。そして「究極の法則」が出来上がった2013年に、私たちは、「顧客企業に採用アセスメントのノウハウを提供して内製化を支援する」という前代未聞のビジネスモデルを打ち出しました。今までプロのアセッサーのみが抱えていた「人を観るノウハウ」を、顧客企業の社内アセッサーの中に落とし込む「技術」を確立できた自信があってこその決断でした。そしてその時、当社の新時代に向けた方向性が決定したのです。

人を観る技術を、「使う会社から伝える会社へ」


私たちが長年培ってきた「人を観る技術」の体系化がかなった今、私たちは、この技術を抱え込むのではなく、ひとりでも多くの人に伝えていこうと思っています。この技術を支える理論は、決して突飛なことではなく、ごくごく当たり前の正論ばかりです。でも、多くの人に忘れられている正論です。内製化によってこの技術を身に着けた社内アセッサーは、誰もがこの正論を基軸にして、いつも落ち着いた思考を見せてくれます。浮ついたところが無く、見ていてとても安心できます。これが、私たちの「人を観る技術」を得ることで期待できる最大のアドバンテージです。派手なだけのものたちに決して心を奪われることなく、静かな心で本物を見極めようとする意識が会社の採用現場に生まれ、それがやがて会社全体の文化になります。

 

「人を観る技術」とは、視点を絞り込む技術です。「人を観ようとしても全然わからない」と言う人は、おそらく「視点の絞り込み」が足りないからでしょう。人は、意識的なもの無意識的なものを合わせると実に多種多様な行動を見せます。それをぼおっと見ていてもその人の本質にアプローチできるはずがありません。その人を知るために捉えなければいけない行動というものがあり、その行動を求めて視点を絞っていくことこそが「人を観る技術」です。視点を絞ることで、人への向き合い方が「見る」から「観る」になるのです。私たちは、「生徒さんたち」に、まず「視点の絞り先」を教えます。「どこを、どのように観るのか」を教えます。すると次の日から、彼ら・彼女たちの、そしてオブザーブされている経営陣の人への向き合い方が変わります。それは、その会社の「人を観る目」が変わった瞬間であり、その会社に新しい文化が生まれた瞬間です。そのような瞬間を少しでも多くの方と共有したいと、心から願っています。

 

会社の転換期にあたり、ホームページをリニューアルいたしました。情報量が多くて読みづらいと思いますが、興味のあるところからお目通しいただけると嬉しいです。「代表ブログ」では、「人を観る技術」を少しずつ覗いていただけるように「切り売り」するつもりです。「タダで出せるぎりぎりのところ」まで書きますので、ご期待ください。

 

新生「概念化能力開発研究所」を、どうぞよろしくお願いいたします!

 

概念化能力開発研究所株式会社
代表取締役 奥山 典昭