╂ 処方箋の解説 ⓭ ┛ モンスターを採りたくない

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モンスター社員を絶対採らないで済む採用方法はありますか。

モンスター化の原因となる「心の問題」を、採用選考で見抜く方法があります。

 

 

 

社内アセッサーの最大ミッション

採用アセスメントの内製化支援の一環として、その会社の中で選抜された若手社員を対象に社内アセッサー養成講座を実施します。実際にその会社で行われる新卒採用アセスメントの場をお借りして、社内アセッサー候補者の皆さんに、グループ討議に取り組む学生たちをアセスメントしていただき、その後、そのプロセスや結果に対して指導を重ねていきます。

 

実践講座は十回で終了となり、その後は「候補」の二文字を外した社内アセッサーの皆さんが、独力で採用アセスメントを運営していくことになります。もちろんその時点で、社内アセッサーのアセスメント技術がプロ並みにまで高まっているわけではありません。ただ、社員の中から選ばれ十回の講座を頑張った社内アセッサーである以上、他の部分は多少大目に見るにしてもそこだけはどうしても頑張って見極めて欲しいものがあります。

 

それは、「その応募者が入社後モンスターに化ける可能性」です。

 

モンスター社員の特性

モンスター社員とは、極端に常識外れで自己中心的な主張や批判を繰り返し、経営陣や周囲の人たちを疲弊させる社員のことです。モンスター社員は周囲の人を巻き込む扇動行為に精を出すことが多く、知らないうちに組織を黒く染めます。間違ってモンスター社員を上位職に登用してしまったら、ほぼ間違いなくその人はパワハラの常習犯となるでしょう。不当な労働問題を提起されたり、時には訴訟を起こされたりするリスクが付きまとうので、企業として毅然とした対応を取りにくいという縛りも生じてしまいます。私たちに問い合わせを下さる経営者の多くが、モンスター社員の被害者です。「モンスター社員に会社を壊されることだけは避けたい」 世の社長さんたちの願いはこれに集約されます。

 

モンスター社員の特性を並べてみましょう。

 

自分の気に入らない事があると、全て自分以外の誰か(何か)に責任を転嫁する。

自己執着が強く、あるべき自分に至らないことへの劣等感や不安感に支配されている。

したがって承認欲求や自己顕示欲が極めて強い。

その自己充足欲が満たされないと、また自分の弱みがばれそうになると、攻撃性を伴う行動が顔を出す。

依存体質であり、他者を巻き込み他者の力を借りて会社を攻撃するパワーを強化しようとする。

パワハラに走る人はポジションパワーに依存する。

 

これらは全て、精神的に自立しない人に見られる特性です。

 

「職場環境がモンスター社員を作る」という意見もあるようですが、職場環境が悪い時の一般的な選択肢は、「生活のために我慢して働き続ける」「改善に向けて動く」「サッサと辞める」だと思います。「居座って会社を攻撃する」という異常な第四の選択肢を作ってしまうのは、やはりその人の属性によるところが大きいのではないでしょうか。

 

モンスター社員に会社を壊されないために

モンスター社員に会社を壊されたくなければ、モンスター社員に化ける可能性(リスク)を持つ人を採用しないことに尽きるでしょう。応募者の中に「他責」「自己執着」「承認欲求」「自己顕示欲」「自己防衛」「依存」などの特性が著しく強化されてしまっている人がいないかに目を光らせ、精神的に自立しない人を採用しないようにすることで、会社をモンスター社員の侵入から守ることができます。もちろん精神的に自立しない人が全てモンスター化するわけではありませんが、この基準で採用のハードルを決めることにはリスクマネジメントの見地から大きな意義があると思います。

 

社内アセッサーの養成講座では、卒業時に「著しく精神的に自立しない人」を確実に見極められるようになることが必達目標になります。そのような人がアセスメントで見せる行動は、比較的わかりやすいものが多いので、十日間の訓練を受けた社内アセッサーならそれらの行動をほぼ漏れなく拾えるようになります。この五年間、私たちの顧客各社で採用した人がモンスター化したという報告は受けておりません。

 

 

アセスメントには、精神的に自立しない人の行動特性を、普段はあまり顕在化されないものまでほぼ漏れなく炙り出すしくみがあります。だから、プロの技術と経験を持たない社内アセッサーでも、必要最小限のリスクマネジメントを実践できるようになるのです。そこにお金を払ってアセスメントを導入する価値があります。

 

しかし、アセスメントのしくみを借りなくてもそれらの行動を一般の採用選考の場で、キャッチできる可能性はあります。アセスメントの場と違って観るべき行動の出現頻度はどうしても低くなりますが、応募者の行動と触れる機会を増やす努力などで、アセスメントの場に準じた成果を得ることは可能だと思います。私たちが日々アセスメントで向き合っている「精神的に自立しない人によく見られる行動」の一部を一般の採用選考でも使いやすいようにチェックリストにしましたので、参考にしてみてください。

 

<チェックリスト> 精神的に自立しない人によく見られる行動例

採用面接にて

✓ 発言に一貫性が無い

✓ 経験や知識を語る時だけ元気になる

✓ 言葉の雛型に依存する(「という形になります」「というふうに思います」など)

✓ 言動が過剰に堅苦しい

✓ 話のワンフレーズが長い

✓ 何を言っているのかよくわからない

✓ 「そういうことを聞きたかったのではないんだけど」と言いたくなる答が返ってくる

✓ 会社や面談相手への興味があまり示されない

✓ 過剰な愛想笑いを絶やさない

✓ 大げさな挨拶や丁寧過ぎる物言いなど慇懃な立ち居振る舞いが目立つ

✓ 過剰敬語を連用する 

✓   演説のように話す

✓ 執拗な頷きや相槌など顕示的な対人テクニックを多用する

✓ 極端に多弁

✓ 畳みかけるように話す

✓ どんな質問に対しても間を置かずにすぐ口を開く 

✓ 話に前置きや言い訳などの無駄なものがたくさん付いてくる

 

グループワークにて

✓ 状況の打開を人に任せ、自分は人の後からついていく

✓ 進め方や段取りを前もってはっきりさせることに過剰に執着する

✓ 自分の経験に頼らないと発信できない

✓ 上から目線で知識をひけらかす

✓ 前提と絡まない内容の発信を乱発し、自分の好きな方向へ自分勝手に進む

✓ 全体成果に向かわない「発言のための発言」を繰り返す

✓ 「ふと思ったのですが」などと、周囲と連動しない起動を繰り返す

✓ 場を仕切って他者の意見を捌き、自分の思う通りに事を進めようとする

✓ 理念や精神論など美しい抽象論の世界ばかりを好む

✓ 大きな声でわかりやすく伝えようとする意識が見られない

✓ 観察者に頻繁に視線を送る

✓ 開放感に欠ける表情に終始し、他のメンバーの目を見ない

✓ 他のメンバーに対し、過剰な媚びや迎合を見せる

✓ 他のメンバーから反論されると感情的になる

✓ 攻撃性や支配性が露わになる

✓ 不自然に足を拡げたりふんぞり返ったりなど、偉そうな態度を取る

✓ 乱暴な私語、投げやりな物言い、不適切な内容を含む発言、などを発散する。

 

その他の場にて

✓ 説明会や採用試験の受付に集合時間より大幅に早くやって来る

✓ 説明会の終了後、関係者を呼び止めて質問攻めにする

✓ メール返信のタイミングが頻繁に遅れる

✓ 言動や表情やテンションが場面ごとに変わる

✓ 説明会で登壇者に笑顔で頷き続け「わかってますよ」のアピールに余念が無い

✓ 説明会でずっとメモを取り続ける

✓ 接する人によって態度を変える

 

※ チェックがたくさん入ってしまったり、何度も繰り返される行動が多かったり、その行動を観た人が強い「違和感」や「不快感」を覚えたりした場合に、その人が「精神的に自立しない人」である可能性を疑います。

※ このチェックリストの無断転載をお断りします。

東京の世田谷に生まれ(昭和35年)鎌倉に育ちながら、高校卒業後に関西へ流れ、大学卒業時には立派な関西弁を話せるまでに成長する。大学で体育会ラグビー部に足を踏み入れるも、タックルが出来なくて干され、徹夜のバイトが監督にばれて干され、と、「なんちゃってラガー」への道をまっしぐら。4年生でやっと公式戦への出場がかない、初出場の日の前夜は、ジャージーを抱いて泣きながら寝た。卒業後に入った商社で、早速、語学難民となり、「このまま日本に置いておいてもこいつは英語を覚えない」と当時の事業部長に判断されて、入社後1年も経たないうちに香港の現地法人に飛ばされる。現地の英国人達とプレーする中でようやく面白くなり始めたラグビーの合間に仕事も少しだけ頑張る、という充実の日々を送り、バブルもはじけた平成2年の春に5年間の任期を終えて帰国。その後、いわゆる大企業の海外部門を転々とするが、会社と仕事が肌に合わず、日に日に心が萎んだ。ついに重度の抑うつ状態にまで陥ってしまったが、そこに至ってようやく「自分の強みは本当に『国際』『語学』なのか?」「本当に自分の良さを活かせる仕事は何なのか?」というテーマに、正面から向き合うことになる。「世間からの評価」への執着を断ち切り、自分の価値観に正直になって新たなフィールドを選んでからは、心の元気を取り戻し今に至る。37歳の時に入社した人事系のコンサルティング会社でアセスメントセンターに出会って惚れ込み、これを生涯の仕事とすることを決意。39歳の時に今の会社を設立した。歳をとっても痛くて苦しいことが大好きな「変なおじさんたち」が集う中年ラグビーチーム(不惑倶楽部)に所属していたが、50を前にして捻挫をこじらせ距骨壊死というややこしい状態に陥って離脱。10年間手術を公言し続けるも諸事情で実現せず「切る切る詐欺」と揶揄されてきたが、還暦を直前に控えた2019年の暮れに突如人口距骨への部品交換を決行した。「これでラグビーもゴルフもばっちりだぜ!」と、元々の技量と加齢という現実を忘れて妄想中。

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