派遣【復刻版】-2008年12月5日公開-

派遣【復刻版】-2008年12月5日公開-

朝、「派遣切り」で大騒ぎになっているのをテレビのワイドショーがこぞって取り上げていた。昨日、偶然「派遣」について書いたばかりだったのでちょっとびっくりした。

 

各局の司会者さんたちがどんなコメントを出すのか興味があったので番組をいくつか「はしご」したのだが、いつもは元気一杯に世間を扇動するストーリーを作り上げる彼らが、今日は心なしかスタンスを決めきれずに歯切れが悪くふわふわした感じでお茶を濁していた。やはりこの分野は未だに「定見」が宿りにくいのか。いつも思うことだが、「労働」や「雇用」や「組織」など人的経営の話題になると、わが国のメディアは急に話の質のスタンダードを落としてしまうような気がする。

 

「安易な派遣切りを防ぐ対策」として与野党が対策案を出していた。ちなみに自民党案は、「派遣労働者を正社員として雇用した企業はひとりあたり百万円をもらえるようにしよう」だそうだ。(*_*; そもそも今回の騒動は、派遣の乱用という本質的な問題に起因する事象のひとつに過ぎないのだから、子供騙しの対症療法に二兆円を使うなどという冗談を言ってる場合ではなく、今こそ、派遣が正社員の代替として安易に使われている「間違った姿」を法規制をもって正してしまうチャンスだと思う。

 

そのためには「派遣や請負の規制が強化されたら、日本の製造業は立ち行かなくなる」などとのたまう財界トップの連中を押さえ込むことができる「自立した政府」の存在が必要だから、現実的には極めて難しいのかもしれないが。

 

「長きに渡って仕事をする労働者を直接雇用するのは当たり前でしょう」という二十前は当たり前だった正論が、今通じなくなりかけている日本はかなりおかしい。

 

 

 

直接雇用には嫌でも魂がこもる。例え有期契約社員であってもパートであっても会社と労働者との間には思考と責任が介在する。派遣をたくさん使うことよって、会社がその「思考と責任」の負荷から解放されることが、メリットなのか、デメリットなのか、は、その会社の環境、状況によりけりで、一概には言えない。せめて、そのメリット、デメリットを精査するプロセスは確保して欲しいと各企業の経営者に願ってやまない。

 

今、無思考に派遣を乱用してきた企業が本気で損得勘定を試みる気になったら、それだけで事態はかなり好転すると思う。派遣のバブルははじけるだろうが、筋の通った派遣の適材適所が整理され、「派遣のステイタス」も再確立されるかもしれない。

 

 

 

試しにこんなところから思考を巡らせてみてはいかがですか?

 

解雇リスクを回避したくて使った「派遣」なのに、今回派遣切りにあった方々やユニオンの攻撃の矛先はどこに向いていますか?

テレビのニュースに本来リスクを背負っているはずの派遣会社の名前は出てきますか?

リスクを「回避」したはずの派遣先企業の名前がでかでかと報道され、火だるまになっているじゃないですか。

「派遣は簡単にリスク無く切れる。」は妄想だったんじゃないですか?

 

実は、「妄想」はもっともっと潜在するんじゃないですか?

 

東京の世田谷に生まれ(昭和35年)鎌倉に育ちながら、高校卒業後に関西へ流れ、大学卒業時には立派な関西弁を話せるまでに成長する。大学で体育会ラグビー部に足を踏み入れるも、タックルが出来なくて干され、徹夜のバイトが監督にばれて干され、と、「なんちゃってラガー」への道をまっしぐら。4年生でやっと公式戦への出場がかない、初出場の日の前夜は、ジャージーを抱いて泣きながら寝た。卒業後に入った商社で、早速、語学難民となり、「このまま日本に置いておいてもこいつは英語を覚えない」と当時の事業部長に判断されて、入社後1年も経たないうちに香港の現地法人に飛ばされる。現地の英国人達とプレーする中でようやく面白くなり始めたラグビーの合間に仕事も少しだけ頑張る、という充実の日々を送り、バブルもはじけた平成2年の春に5年間の任期を終えて帰国。その後、いわゆる大企業の海外部門を転々とするが、会社と仕事が肌に合わず、日に日に心が萎んだ。ついに重度の抑うつ状態にまで陥ってしまったが、そこに至ってようやく「自分の強みは本当に『国際』『語学』なのか?」「本当に自分の良さを活かせる仕事は何なのか?」というテーマに、正面から向き合うことになる。「世間からの評価」への執着を断ち切り、自分の価値観に正直になって新たなフィールドを選んでからは、心の元気を取り戻し今に至る。37歳の時に入社した人事系のコンサルティング会社でアセスメントセンターに出会って惚れ込み、これを生涯の仕事とすることを決意。39歳の時に今の会社を設立した。歳をとっても痛くて苦しいことが大好きな「変なおじさんたち」が集う中年ラグビーチーム(不惑倶楽部)に所属していたが、50を前にして捻挫をこじらせ距骨壊死というややこしい状態に陥って離脱。10年間手術を公言し続けるも諸事情で実現せず「切る切る詐欺」と揶揄されてきたが、還暦を直前に控えた2019年の暮れに突如人口距骨への部品交換を決行した。「これでラグビーもゴルフもばっちりだぜ!」と、元々の技量と加齢という現実を忘れて妄想中。

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