小さな会社の採用革命=50の新常識= ⑦ 「当社には新卒採用などまだ早い」は、思い違いである。

小さな会社の採用革命=50の新常識= ⑦ 「当社には新卒採用などまだ早い」は、思い違いである。

新卒採用は大きい会社がやるもの?

少し前までは、「新卒採用は大きな会社がやるもので、小さい会社は中途採用が主体」のような空気が確かにありました。でも今は、小さい会社が新卒採用をできない理由が見当たりません。私たちが新卒採用を支援しているお客様の約七割が従業員百名未満の小規模企業です。従業員が五名に満たない企業も数社あります。そんな小さな会社が毎年たくさんの学生を集めて新卒採用に取り組んでいるのを目にしている一方で、セミナーなどでは初めてお会いする経営者の方から「うちはまだ新卒採用に踏み切れる会社ではなくて」などと言われることも多く、その度に、まだ古い通念に縛られている経営者が多数派であることを再認識します。

 

皆さんの主な懸念点は、「うちに応募してくれる大学生などいないのでは」「採用した人をきちんと教育できる体制ができていないのだが」「忙しくて新卒の新人が育つまで待っていられない」の三つです。

 

うちに応募してくれる大学生などいないのでは

「学生がうちなんかに応募してくれるのだろうか」と心配になる気持ちはわかりますが、実際に多くの学生を集めている小さい会社といつも仕事をしているので、「大丈夫です」としか言えません。それらの会社には、「社長が真面目に新卒採用に取り組んでいること」という素晴らしい共通点はありますが、それ以外はどの会社も至って普通の会社です。規模だけでなく「立地や業種や職種などが若い人に好かれないのでは」と思われる会社でも、必ずアセスメントの実施に向けて十分な数の学生を集めます。私は、今の日本に新卒採用の応募者を集められない会社などほとんどないのではないかと思っています。

 

今の大学生の中では、「大きい会社が良い会社」という通念的価値観が昔より遥かに薄くなっているように思います。私が日々目にしている大学生たちに、零細企業に応募することへの心理的障害は全く窺えません。また、ここ十年で新卒の大学生を非正規雇用しようとする会社が増えたことも、正社員募集を掲げる小さい会社の地位を相対的に高めているように思えます。秋口になると、内定が採れないことに焦った学生たちが、派遣や契約社員の募集に流れていきます。そんな中、彼ら彼女たちに正社員として社会人のスタートを切るチャンスを提供できる会社の社会貢献度は高いと思います。

 

採用した人をきちんと教育できる体制ができていないのだが

何か月もかけてのんびりと集合研修などを実施できる大企業とは違い、そもそも中小企業には新人をじっくり教育する余裕などないはずです。最小限の知識を叩き込んだらすぐ現場に出してOJTで鍛えるというのが、中小企業の新人教育の現実でしょう。そして、それは決して悪いことではないと思います。

 

そもそも新人教育とは何なのでしょう。前述のように社員教育の目的は社員の仕事力を変えようとすることではありません。新たに社会人になった新入社員に会社がまずやるべきことは、彼ら彼女たちがそれまで持ち得なかった知識の提供です。その会社で働く上で知らなくてはいけない知識を教育によって与えるのは、新卒を採用しようとする会社の責務ですが、新人に知識を与えるならOJTで十分です。必要なのは、「こいつを一人前にしたい」という教える側の熱意だけで、とりたてて「教育体制」などと構える必要は全くありません。「教育体制ができていない」と思う理由が、もし「うちには新人について仕事を教えられるような人間がいないから」ということだったとしたら、それは新卒採用云々以前の問題です。

 

そうして与えた知識が生産的に使われるようになるかは、その人の仕事力によります。その新人の仕事力が高ければその知識には息吹が吹き込まれ、仕事力が足りなければその知識はきちんと使われない…それだけのことです。だから、教育のことなどを心配する前に、中小企業の経営者は仕事力の高い学生を採ることだけを考えるべきだと思います。

 

忙しくて新卒の新人が育つまで待っていられない

「新卒で採用した新入社員が戦力となるまでには時間がかかる」と思い込んでいる経営者は、一体いつまで待つつもりなのでしょうか。思考力などの仕事力がしっかりしている大卒新人は、入社後に確実に増やすことのできる経験や知識を確実に生産性に繋げていくことができます。よほどの高度専門分野でなければ、仕事力の高い新人は仕事力の低いベテランを一年で抜き去ります。マネジメント能力の有無は入社時には決まっているわけですから、その力を有する人が必要最低限の知識を得た入社二年目でマネージャー(管理職)になることには、何の問題もないはずです。経営者が腹を括りさえすれば、新卒採用で会社の景色と空気を変えることは十分可能です。

 

前項で述べたように、中途採用したキャリア十分のベテランが新たな会社で即戦力になれる可能性は決して高くありません。経験知は誰でも確実に積み重ねることができますが、脆弱な仕事力を強くすることはできないのです。年齢や経験をひとまず度外視して「仕事力」だけに着目する人材採用を貫くと、会社は必ず強くなります。少なくても大学生の仕事力に向き合う採用さえ心がければ、「新卒採用をすること」と「即戦力を求めること」とが、トレードオフ(一得一失)の関係になることはありません。

東京の世田谷に生まれ(昭和35年)鎌倉に育ちながら、高校卒業後に憧れの関西に移り住み、大学卒業時には立派な関西弁を話せるまでに成長する。大学で体育会ラグビー部に足を踏み入れるも、タックルが出来なくて干され、徹夜のバイトが監督にばれて干され、と、「なんちゃってラガー」への道をまっしぐら。4年生でやっと公式戦への出場がかない、初出場の日の前夜は、ジャージーを抱いて泣きながら寝た。 卒業後に入った商社で、早速、語学難民となり、「このまま日本に置いておいてもこいつは英語を覚えない」と当時の事業部長に判断されて、入社後1年も経たないうちに香港の現地法人に飛ばされる。現地の英国人達とプレーする中でようやく面白くなり始めたラグビーの合間に仕事も少しだけ頑張る、という充実の日々を送り、バブルもはじけた平成2年の春に5年間の任期を終えて帰国。 その後、いわゆる大企業の海外部門を転々とするが、会社と仕事が肌に合わず、日に日に心が萎んだ。ついに重度の抑うつ状態にまで陥ってしまったが、そこに至ってようやく「自分の強みは本当に『国際』『語学』なのか?」「本当に自分の良さを活かせる仕事は何なのか?」というテーマに、正面から向き合うことになる。「世間からの評価」への執着を断ち切り、自分の価値観に正直になって新たなフィールドを選んでからは、心の元気を取り戻し今に至る。 37歳の時に入社した人事系のコンサルティング会社でアセスメントセンターに出会って惚れ込み、これを生涯の仕事とすることを決意。39歳の時に今の会社を設立した。 歳をとっても痛くて苦しいことが大好きな「変なおじさんたち」が集う中年ラグビーチーム(不惑倶楽部)に所属していたが、50を前にして捻挫をこじらせ距骨壊死というややこしい状態に陥って離脱。10年間手術を公言し続けるも諸事情で実現せず「切る切る詐欺」と揶揄されてきたが、還暦を直前に控えた2019年の暮れに突如人口距骨への部品交換を決行した。「これで俺のラグビーとゴルフは変わる!」と、加齢という現実から目を逸らして盛り上がる。月イチで山へ芝刈りに行く日常は戻ったが、たくさん叩くのは足のせいではなかった・・・ことに薄々気づき始めた今日この頃。

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