諏訪湖カントリーにて ⛳ 初めての月例競技会に出場した。
いまだに大叩きのリスクがあり、怖い。
ルールの習得も不十分な自分が公式競技に対応できるか、が、怖い。
勝負に徹した同伴競技者との神経戦が、怖い。
などの理由で月例デビューを先送りにしてきたが、変わり映えのしないスコアを垂れ流す日々にそろそろ飽き飽きしてきて、「月例に出ないと自分は一皮向けないのだ!そうに違いないのだ!」と強引に活路を求めてしまった。
朝起きたら、雨が降っていた。三日前にお客様の会社のゴルフ会で「年に一度の大叩き」をやらかしたばかりでテンションも極端に下がっていた。「インフルエンザにかかりました」と電話をしてさぼろうか、とも真剣に考えたが、その後のクラブライフへの影響を思い、渋々クラブへ向かった。
スタート前に「テントと机」のところに呼ばれ、サインをし、ボールを確認し、マーカーを指示される。自分以外の人のスコアをつける責任が早くも肩にのしかかる。
今日はストロークプレーではなく「アゲンストパー」でスコアを競う。各ホールにそれぞれのハンディキャップに応じた「パー」のラインがあり、その数字を下回れば勝ち(〇)、上回れば負け(✕)、同じなら分け(-)、である。トータルでいくつ勝ち越したか、あるいは負け越したか、で勝負が決まり、総合で+になれば優勝に絡めるらしい。しくみは面白いが、初参加の僕にとってはそのしくみを咀嚼すること自体が負担になり、さらに肩が重くなった。
スタートホールのティーショット。人がたくさん見ている。前にある人から、月例初出場の初ティーショットは「おしっこちびるほど緊張した」と聞いたが、僕はプロになったみたいな気分で楽しかった。ラウンドを通じて「緊張」には無縁だったが、そのかわり、自分でも驚くほどの「集中」が最後まで維持された。
公式競技と名が付き、「OK」も「リプレイス」も「プレイング4」も「同伴者との気楽な会話」も… 僕が普段嫌いな緩い部分が全て禁止され、それに加えて最初から最後まで合理的な選択肢を考えることが必要なモードに支配され、つまりゴルフが「スポーツ」になるとこんなに集中できるんだ! と、いうことを知った。
ロングホールで、OB→池 の連発があった。いつもならここから「崩壊」に向かうのだが、「競技」の名は僕の気持ちをつなげとめるのに十分だったようで、池ポチャ後の五打目からツーオンワンパットでトリプルを「拾う」。
ミドルで二打目のナイスショットがラフに入り予想だにしなかったロストに。五分間探した後、二打目の場所に戻って打ち直した四打目に二打目と同じ球が出て今度はフェアウェイに。 そこから寄せワンでダボを「拾う」。
六番のショートでワンオンしながらフォーパットを打ちダボに。パーなら「〇」だったのにそのホールを「✕」にしてしまった時は、その日最大のダメージを受けた。売店でお汁粉を流し込んで血糖値を上げ、何とか新しいリズムを作って臨んだ七番、八番でパーをもぎ取った流れの中では、たぶん僕はほとんど口をきいていない。
この三つの場面は、普段ならまず崩れただろう。もちろん運もあっただろうが、その都度最善を尽くせたのはいつもと違うメンタルコントロールがベースにあったからだと思う。そして、それぞれのピンチを脱するたびに、「この集中をずっと続けなくてはいけないものなのか…」と、心と体に痺れるような疲れを感じたのを覚えている。
僕の最終スコアは、「-3」だった。「-2」の人までが五位入賞に入っていたのでわずかに及ばずだった。まさか三日前にあんなに打った自分が、掲示板の前で最終集計を待つ人たちの中にいることになるとは思わなかった。
が、スコアよりも、メンタル面で勝てる感覚を今日初めて掴んだこと、そして、公式競技という環境設定が自分のメンタルマネジメントにプラスに働いたということに、とてもとても安堵した。
自分が昔体育会にいたことを、久し振りに思いだした。