現実から逃げまくる夢追い人

現実から逃げまくる夢追い人

「崇高な理念」「理想論」「夢やロマン」などばかりを実に気持ちよさそうに話す人を見ることがあります。

 

人から「偉い!」と褒められそうな「社会性の高さに繋がる話」や、「頭いいな!」と思われるような「難解な理論の絡む話」などを話す時、そんな話を美しく発信できる自分に酔うことは、程度差こそあれ、誰にでもあることでしょう。しかし、「その理念は素晴らしいけど、じゃあ、実際にどうすればいいの?」という問いを目の前に突きつけられると、我に返り、頭を冷やして、現実の壁に向き合おうとするのが真っ当な人の姿だと思います。

 

ところが、世の中には、現実実体の厳しさと絡むことを極端に嫌い、現実的にどうすべきか?何をすべきか?という世界に降りることを避けて、ずっとふわふわした「気持ちの良い世界」に留まることを好む人も少なからず存在します。自分の殻に閉じこもって自分の好き勝手に生きたい「お子さま」にとっては、そこは最高に居心地の良い場所のはずです。その世界にいる限り、「問題解決」や「成果を出すこと」などに向き合う必要が無く、何の責任も背負わなくていいのですから。

 

「耳当たりがいいばかりで取り留めの無い抽象論を冗長に語り、時に自分の健全性をアピールすべく『信頼』『絆』などのキーワードを多用し、自分の快感が薄れるのを嫌がって『具体』への道には見向きもせず、話が具体的な方向に動きそうになったりしようものなら必死に抽象の世界に引き戻そうとする」…  アセスメントのグループ討議の中で、このような動きを見せる人は、決して珍しくありません。ちなみに、そのような人たちの苦手なものは、現実的で泥臭い世界です。「具体論」「方法論」「戦術論」「収益性」「継続性」などの概念とは、絶対近づきたくないのだと思います。

 

ずっと「美しい抽象論」の世界で遊び、責任の伴う具体論への落とし込みを避ける人は、成果を求める組織の一員としては極めて不適格です。抽象論の愛好者は、時に概念化能力の持ち主であり、「頭の良さ」が目立ち、比較的「見栄え」が良いことが多いので、往々にして観る人の目を眩ませますが、「成果に関心の無い頭の良い人」の生産性など、何も考えられない人のそれと何ら変わりありません。

 

採用や人材配置の際、「実」を取れない「きれいごと言い」や「ええかっこしい」に対しては、その後の組織の停滞を防ぐために、断固として厳しい目を向けるべきだと思います。

 

「理念を熱く楽しそうに語る様を評価して採用や登用に踏み切ったけど、その理念を実現するために必要な日々の取り組みを何もやろうとしない」と嘆いている経営者や管理者は、きっと無数にいらっしゃるはずです。そうならないためにも「気持ちよさそうに」話す応募者や昇進の候補者に対しては、「具体的には貴方は何ができるのですか?」という「野暮な」働きかけが欠かせません。

 


東京で生まれ(1960年)、鎌倉で育ちながら、京都に憧れて高校卒業後に関西へ流れるが、何故か大阪の大学(関西大学法学部)へ入る。 念願の体育会ラグビー部に足を踏み入れるも、タックルができなくて干され、徹夜のバイトがばれて干され、と、「なんちゃってラガー」への道をまっしぐら。4年生でやっと公式戦への出場がかない、初出場の日の前夜は、ジャージを抱いて泣きながら寝た。 卒業後に入った商社で、早速、語学難民となり、「このまま日本に置いておいてもこいつは英語を覚えない」と当時の事業部長に判断されて、入社後1年も経たないうちに香港の現地法人に飛ばされる。現地の英国人たちとプレーする中でようやく面白くなり始めたラグビーの合間に仕事も少しだけ頑張る、という充実の日々を送り、バブルもはじけた平成2年の春に、5年間の任期を終えて帰国。 「国際人の俺様にはもっと大きい会社がふさわしいのさ」と、わけのわからないことをつぶやきながら、いわゆる大企業の海外部門を転々とするが、会社と仕事が肌に合わず、日に日に心が萎んだ。ついには重症の抑うつ状態にまで陥ってしまったが、そこに至ってようやく、「自分の強みは本当に『国際』『語学』なのか?」「本当に自分の良さを生かせる仕事は何なのか?」というテーマに、正面から向き合うことになる。 「世間からの見られ方」への執着を断ち切り、自分の価値観に正直になって新たなフィールドを選んでからは、心の元気を取り戻し、今に至る。37歳の時に入社した人事系コンサルティング会社で「アセスメントセンター」に出会って惚れ込み、これを生涯の生業とすることを決意。39歳の時に、今の会社を設立した。 50歳近くまで続けていたラグビーだったが、試合で足首をややこしく負傷してしまって以来、プレーをしていない。復帰するには手術が必要で、数年前から「今度手術するんですぅ」とあちこちで触れ回っているが、諸事情で延期が繰り返され、周囲からは「切る切る詐欺」の声が聞こえ始めている。

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