新入社員研修【復刻版】-2008年4月18日公開-

新入社員研修【復刻版】-2008年4月18日公開-

今日はある企業での新入社員研修を担当した。研修教育は僕たちの専門外なのでお話をいただいても謹んでお断りしているのだが、諏訪の会社の新入社員研修だけはなぜか続けてやらせてもらっている。

 

学校を出て初めて入った会社で教わるべきことを教わらないと、ずっと「知らないまま」だ。大量の新卒を採る大企業など、何ヶ月もかけて集合研修を実施できる会社がある反面、中堅以下の規模の会社の多くは早期に配属職場のOJTに新人教育を頼ることになりがちで、新人の汎用的な常識レベルが整備される機会は相対的に少ない。「知ってる/知らない」の違いだけで、両者の間で差ができるのは不条理だ。

 

恩義ある諏訪の地をこれから背負って立つ若者たちが不条理な目に合わないように、と、僕は不似合いな新入社員研修をやっている。

 

 

 

 

今日の会社は、新卒採用二十八名の中堅企業。この地域にしては珍しいしっかりした集合研修が三週間にわたり組まれているが、どうしてもテクニカルな分野の訓練や一般的な講話が多くなりがちなようで、「常識レベルの整備」のお手伝いをしてあげたいところだ。

 

朝、皆の前に立つと、例年同様、場違いな感じがした。おじ様たちとの仕事に慣れすぎたか。皆だってイケメンの若い講師やCA上がりのきれいなお姉さまにやってもらった方が楽しいよなあ。でも、「どうせやるのなら、レッスンプラン首っ引きの研修講師や型どおりの方法論しか教えないマナー講師が逆立ちしたってできないものをやってやろう」と、何だかんだ言っても結構気合が入るのも、例年同様だ。

 

挨拶の仕方、電話の受け方、報告の仕方、、などなどを、それぞれひとつずつ教えて新人の「常識レベル」を高位安定まで持っていこうとしたら、それこそ何ヶ月もかかるし、きっとやったそばから忘れられていく。たった一日の研修で受講者に何かを残そうと思ったら、やはり「概念」を教えるしかない。

 

コミュニケーションは何故必要なのか? 仕事ができるというのはどういうことなのか? などをビジネスゲームやアセスメントツールなどを通じて体感させていく。根っこにある意味や意義を教えてそれが理解されれば、「こういうときはこうするんだよ」を、いちいち教えなくても自然と正しい行動が導かれるものだ。

 

かくして今年も新人達は新人研修らしからぬ「思考を要求されるプログラム」に一日中取り組まされることになった。高卒大卒混同だし年齢幅も大きいので、どこかに無理は生じているであろう。でも、各自が各自なりに何かを掴んでくれていると信じて、今日も例年のスタイルを貫いた。

 

 

 

終了後、今年もあちこちで「頭が疲れたあ!」の声が聞こえた。

 

「よしよし」と、例年同様、とりあえず満足した。

 

 

東京で生まれ(1960年)、鎌倉で育ちながら、京都に憧れて高校卒業後に関西へ流れるが、何故か大阪の大学(関西大学法学部)へ入る。 念願の体育会ラグビー部に足を踏み入れるも、タックルができなくて干され、徹夜のバイトがばれて干され、と、「なんちゃってラガー」への道をまっしぐら。4年生でやっと公式戦への出場がかない、初出場の日の前夜は、ジャージを抱いて泣きながら寝た。 卒業後に入った商社で、早速、語学難民となり、「このまま日本に置いておいてもこいつは英語を覚えない」と当時の事業部長に判断されて、入社後1年も経たないうちに香港の現地法人に飛ばされる。現地の英国人たちとプレーする中でようやく面白くなり始めたラグビーの合間に仕事も少しだけ頑張る、という充実の日々を送り、バブルもはじけた平成2年の春に、5年間の任期を終えて帰国。 「国際人の俺様にはもっと大きい会社がふさわしいのさ」と、わけのわからないことをつぶやきながら、いわゆる大企業の海外部門を転々とするが、会社と仕事が肌に合わず、日に日に心が萎んだ。ついには重症の抑うつ状態にまで陥ってしまったが、そこに至ってようやく、「自分の強みは本当に『国際』『語学』なのか?」「本当に自分の良さを生かせる仕事は何なのか?」というテーマに、正面から向き合うことになる。 「世間からの見られ方」への執着を断ち切り、自分の価値観に正直になって新たなフィールドを選んでからは、心の元気を取り戻し、今に至る。37歳の時に入社した人事系コンサルティング会社で「アセスメントセンター」に出会って惚れ込み、これを生涯の生業とすることを決意。39歳の時に、今の会社を設立した。 50歳近くまで続けていたラグビーだったが、試合で足首をややこしく負傷してしまって以来、プレーをしていない。復帰するには手術が必要で、数年前から「今度手術するんですぅ」とあちこちで触れ回っているが、諸事情で延期が繰り返され、周囲からは「切る切る詐欺」の声が聞こえ始めている。

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